英検準一級の合格点は何点?何%?準一級の難易度をまとめました!

「英検二級取れたし、このまま準一級も……」と思っている方、中にはいると思います。しかし……準一級、鬼門です。難易度が二級とは比べ物になりません。

というのも、英検の中でも準一級と一級は難易度が別格と言われています。その証にこの二つの級は一次試験から本会場でしか受験できません。いえ、受験者数が準一級は約7万2千人、一級は2万6千人と10万人にも満たないのが本当の理由なのでしょうが。

実は、高校の英語の先生でも英検準一級は持っている人は少ないです。私が会った歴代の英語教師はほとんどが持っていませんでした。英検二級を持っている先生はたくさんいるんですけどね。

というのも、「英検準一級よりもTOEFLなどを取った方が評価されるから」という理由で英検は取らなかった方もいます。留学経験が豊富な先生に多い傾向です。また、「採用試験に必須なわけじゃないから」と英語系の資格を取っていない方もいます。別に実力が伴えば問題ありません。

とはいえ、これからの時代は、民間試験の取得も教員採用の際に関わることも多くなるでしょうから、資格を保有する教師も増えていくでしょう。

現在(2019年時点)でも英検準一級、一級相当の実力があると認められる資格(TOEIC730以上、TOEFL PBT550以上など)を持っていれば教員採用試験が一部免除される自治体があります。

教員採用試験でも考慮される英検準一級の合格点、難易度はどれくらいなのでしょうか。高校時代の筆者の実体験とともにまとめてみました。

目次

1.筆者実体験

高校時代、筆者は3回ほど英検準一級にトライしましたが全て落ちました。まぁ……うん、思い出したくない古傷です。

一番の敗因は、英検は学校の定期試験や学校や塾の模試、学校行事と日程的に重なりやすく、英検はプライベートのことだからとどうしても後回しになりがちだったことです。英検準一級は充分な学習時間が取れなければ絶対に受かりません。

特に、高校生というのは準一級を受ける年齢としては若年層になります。というのも、また後で書きますが英検準一級のレベルは大学中級程度。東大・京大・阪大や慶応大・早稲田大を目指すレベルの人ならまだしも……中堅大学を目指すレベルの場合だとやや難しすぎました。

とはいえ、高校最後に受けた英検では合格ラインから-2のレベルとなり、「あと2〜3問正解していれば……」というレベルにはなりました。やはり勉強すればそれだけ合格に近づくのは確かです。

英検準一級の鬼門はリーディング大門1の短文の空所補充です。なんといっても……語彙力が追いつかない!いくら対策問題を解いても、本番ではいくつも見たことがない単語が出てきます。本番は毎度「えっ……なにコイツ、誰?見た覚えないけど」と若干パニックです。

また、リスニングの大門2、スピーチを聞いて解答する問題の難易度がグッと上がります。1つのスピーチに対し2問解答するのですが、とにかくスピーチが長いのです。

聞いた時はわかっていても、質問される時には忘れてしまいます。しかし、1回しか放送されないのでメモを取るのも難しく……惨敗。

リーディングもリスニングも、上記で述べた大門以外もかなり難易度が上がっており、二級に比べてかなり難しいです。長文は内容が二級より面白いので読む分には楽しいのですが、問題の選択肢には言い換え表現が多く、選択肢と長文本文を対応させるのが大変です。

反対にライティングは書かなくてはいけない語数こそ多いものの採点が甘めで、常に7割以上取れていました。英検二級までのポイントを押さえておけば大丈夫、といった感じです。唯一合格点に達していたセクションでした。

総括すると「リーディングの大門1とスピーキングの大門2が激ムズ、それ以外もムズカシイ、唯一ライティングが甘め」といった感じの試験が英検準一級です。一次試験の突破が本当に難しい……。

面接は受けてないのでなんとも言えませんが問題集を見る限り、難易度が上がっているのはもちろんなのですが「英語力に加えて思考力・表現力を問われる問題になっている」と感じます。大学中級レベルというのも納得です。

ここまでは筆者の主観的に見た英検準一級の難易度について書いてきました。次で客観的に見た英検準一級の難易度を見てみましょう。

2.英検準一級の難易度

筆者が「難しい難しい」と連呼している英検準一級ですが、客観的に分析してどれくらい難しい試験なのでしょうか?

英検協会側の情報では「大学中級程度」とされています。でも、「大学中級程度ってなんぞや」って感じですよね。語彙力、読解力、英作文力、リスニング力の観点で見てみましょう。

語彙力

準一級で必要とされる語彙力ですが7,500〜9,000語程度です。二級では3,800〜5,100語程度でした。1つ級が上がるだけで一気に 約2倍の語彙力が必要となります。恐ろしいですね……。

「嘘だ〜」って思う方、いるでしょう。でも本当に、英検準一級の語彙って見たことないものが多いんですよ。筆者の高校時代のALTの先生に聞いてみたら「まぁ、日常会話じゃ使わないわね」と言われるレベルです。もちろん、新聞などでは使われるようですが。

実際、英検準一級レベルの語彙力があれば海外の大学に留学したり、海外で生活しても問題がないレベルとされています。新聞やニュース、行政の書類などが理解できるので、会話さえできれば何かあっても自力で対処できるでしょう。

こう考えると海外に留学/出張、特に長期留学したい方や長期の出張に行かれる方は英検準一級の単語をマスターすべきかもしれません。留学資格のためだけでなく、現地での生活のためにも。語彙力はやはり生活でも命ですからね。

↓試しに以下の動画シリーズでどのような語彙が出てくるか見てみてください。

読解力

次に読解力ですが、文法は二級まででほぼ全てカバーしています。新たに文法を勉強する必要性はありません。二級までの文法内容であやふやなものがあれば確認しておきましょう。

文章量ですが、これは難関私立・国公立大学の二次試験レベルかなぁ、という感じです。すごく長いかと問われればそうではありません。慣れてしまえば読めます。

ただ、話題が多岐に登り、時には政治や経済、ITについてなどといった学生(特に高校生)にはやや難しい話題が出てきます。

もちろん専門用語には語注がついてはいますが、イメージをつかみやすいよう日本語の新聞や書籍を読むので構わないので、日々予備知識をつけていった方が良いです。

予備知識があれば、英検準一級の英文は結構楽しく読めますので、出題が予想される

  • 文化・教育・歴史・言語(俗にいう人文系)
  • 環境・自然・自然科学(俗に言う理数系)
  • 医療・健康
  • 経済・ビジネス・社会問題(俗に言う社会系)
  • IT・コンピューター

これらのどの分野においても予備知識は満遍なく持っていてください。予備知識があるだけで英文が読みやすくなります。過去問などでも気になった話題があれば調べておくと良いでしょう。

また、準一級の場合、選択肢に言い換え表現が多いです。どのように言い換えられているのか知らないと、正解が選べません。言い換え表現で出てきた単語やイディオムは覚えておきましょう。言い換えがわかれば長文は楽になりますよ。

英作文力

英作文に関してですが、これは「導入-本文-結論」の形と長さに慣れてしまえば突破できます。この分野に対して難しい点を強いて言うなら、思考力を養う必要がある点でしょう。

英検準一級では、120〜150語のエッセイを書く必要があります。また、使う具体例は「POINTS」としてまとめられた4つの中から2つ選んで書く必要があります。

具体例のキーワードを自分で考えなくても良い点は楽ですが、反対にどのキーワードもしっくりこない場合は書くのが大変です。どうにか考えて理由付けする必要があります。

このライティング問題も予備知識があると具体例が書きやすいので、読解力の部分で書いたように新聞等を読んで予備知識を持っておきましょう。また、「この言葉、どう英語に訳すのかな」と思った言葉があれば調べ、書ける単語や固有名詞を増やしておきましょう。

また、英作文の際に接続語が上手く使えるかどうかも評価される点です。使える接続語を増やし、論展開のバリエーションを増やしておきましょう。

「ここで In addition を使って、ここで Even though を使って……」と論展開と接続語を構成メモとして書いておくのもオススメです。理論整然と書きやすくなりますよ。

リスニング力

リスニング力に関してですが、速読力と想像力が必要となります。「え、耳関係ないじゃん」と思った方、その通りです。

もちろん、英文を聞き取る能力は必要です。これがなければリスニング問題は解けません。英語のリズムやリンギング、アクセントを聞き取る力は必要です。必要ですが……リスニング力は耳だけじゃないんです。

英検準一級で流れてくるリスニング問題は難しいです。何も準備せずに聞くと、そのスピードと語彙の難しさにフリーズしてしまいます。ですから、問題の放送が始まる前に選択肢をざっと確認し、話題の見当をつけましょう。

また、大門3では10秒でシチュエーションを読んで、その場面に関する放送を聞いて解答します。シチュエーションの部分が読めてなければ場面がわかりません。ですから速読力が必要なのです。

そして想像力ですが、リスニングでは場面が想像できないと正答するのは難しいです。 5W1Hを聞き取り(あるいは読み取り)、今スピーカーがどういう状況で何がしたいのかを考えながら聞きましょう。

また、英検準一級はリスニングの選択肢でも言い換え表現がたくさん出てきます。その時、場面を想像していないと短い時間で同じ意味の選択肢を選ぶことができません。

よって、これら2つの力が無いと、いくら英文が聞き取れても正答できません。シャドーイング、オーバーラッピングといった耳を育てるトレーニングも行いつつ、速読力、想像力も問題演習の中で育てましょう。

その他

その他に必要な力があるとすれば、記憶力と集中力、そして慣れです。当たり前と言われればそうかもしれませんが、英検準一級で求められる記憶力と集中力はレベルが違います。

英検準一級は長文にしろリスニングにしろ、とにかく長いんです。英検二級までとは問題のボリュームが全然違います。

特にリスニングの大門2は 150語程度の英文を聞いて、その英文の放送が終わった後に問題文が放送されます。そのためどこかに絞って聞くことはできず、英文全体を満遍なく覚えておかなくてはならないのです。筆者はこれが無理でした……。

また、リーディングの長文問題も長いので何回も読み直していると時間が足りなくなります。ですから、文章の内容を覚えておく必要があります。

そして集中力ですが、準一級のリーディング試験は90分あります。その後にリスニング試験が約25〜30分あります。リーディングとリスニングの間に休憩はありませんから、少し脳みそが疲れた状態でリスニングに突入します。

「文を読んでいる/聞いているうちに睡魔が……」「ふっと一瞬意識が違う方向に……」というのは、充分あり得ることです。時には、周りの受験者の行動が気になることもあるでしょう。

しかし、集中してなければ問題文の内容は覚えられません。頭から内容がどんどん抜けていってしまいますから問題は解けません。

試験本番はどんな状況でも、長時間であっても、目の前の英語に集中し続けなければなりません。そのために必要なのは『慣れ』です。

英検準一級の試験に慣れてください。過去問でも直前対策問題集でもいいです。何度も約120分の演習を行ってください。ある意味、このその他の項目が一番難しく、合否の鍵を握っています。

3.英検準一級の合格点・必要正答率

このように難しい試験とされる英検準一級ですが、合格にはどれくらいの点数を取れば良いのでしょうか?

現在、英検ではCSEスコアというものを使っています。英検準一級ではリーディング、リスニング、ライティングに各750点が割り振られており、2,250点満点中1,792点以上取れば合格となります。

ただ、これは技能ごとの点の割り振りがわかっているだけで各問題への配点がわからないため、あまりピンッとはきませんよね。というわけで、必要な正答率で答えを出したいと思います。

英検準一級の一次試験合格に必要な正答率は……ズバリ、 約70%です。

尚、このパーセンテージは英検の評価がCSEスコアになる前、素点で合否が分けられていた頃の必要正答率から算出しています。以前は準一級は99点満点で点がつけられていたので、70点前後を取れば合格でした。

70%って結構高いですよね。実は……英検二級までは60%前後をとればよかったんですよ!英検準一級は合格ラインすら上がっているんです‼︎そりゃ無理だよ高校時代の私……。

ちなみに、筆者が高校最後に受けた英検準一級の正答率は68%……。英検二級と同じ60%が合格ラインであれば合格なのですが、なかなか世の中は厳しい。

このように、英検準一級は問題の難易度も合格ラインもそれまでの級からグッと上がっているため、合格率は 約15%です。約85%は落ちます。……恐ろしい試験ですね。

また、英検では一次試験に合格できる英語力があれば二次試験は大半が合格できる傾向があり、その傾向は英検準一級も例外ではありません。おそらく落ちた約85%は、筆者と同じように一次試験でふるいにかけられたのでしょう。

とはいえ、英検は勉強すれば合格できる試験です。筆者も高校時代に受からなかったとはいえ、一番初めに受けた時は合格ラインから-7だった数値が-2まで上がったんです。勉強すればするだけスコアは上がります。

英検準一級を受けると決めたら、覚悟を決めて勉強しましょう。筆者のように後回しにしてはダメですよ!

4.まとめ

英検準一級は、

  • 鬼門はリーディング大門1、リスニング大門2
  • とにかく語彙力・記憶力・集中力が大切
  • 予備知識と言い換え表現を知っていると少し楽になる
  • 約70%の正答率が必要
  • 合格率は約15%

そして、

  • 英検準一級レベルの英語力があれば海外への長期留学/長期出張も安心

英検準一級はかなり難関の試験ではあります。しかし、この試験に合格できるだけの英語力があれば海外でも生きていけます。しっかり対策して、英検準一級に合格しましょう。くれぐれも、筆者のように他にもやることがあるからと対策を後回しにしないでくださいね!

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