ニュージーランド英語、オーストラリア英語って、国が近いから英語も似ているって聞きますよね。英語初心者の日本人には、この2ヶ国の英語の違いを聞き取るのは至難の業です。
私はワーホリでオーストラリアに長期滞在したことがあり、現在はニュージーランドに4年以上住んでいて、5種類の英語の発音を聞き分けられるようになりました。
実際に両方の国に住んだことがある私だからこそ分かる、ニュージーランドとオーストラリアのそれぞれの英語の発音や訛りなどの特徴や違いをご紹介します。
ニュージーランド・オーストラリア英語に違いが少なく感じる理由
よく、ニュージーランド英語とオーストラリア英語は似ているということを目にします。実際に両国滞在経験のある私でも、発音でどちらの出身国かを当てるのが難しいです。
それに、多くの略語がニュージーランドとオーストラリアで共通しています。ニュージーランド英語とオーストラリア英語の違いを紹介する前に、共通する表現の例をいくつか紹介します。
ニュージーランド英語 | オーストラリア英語 | |
afternoon | arvo | arvo |
swim wear | togs | togs |
a cup of tea | cuppa | cuppa |
short shorts | stubbies | stubbies |
barbecue | barbie | barbie |
sunglasses | sunnies | sunnies |
thank you | ta | ta |
a lot | heaps | heaps |
ちなみにニュージーランド人とオーストラリア人は、ある程度単語が共通しているのを知っていますが、私たち日本人同様、共通する単語を全部は把握してないです。
私のパートナーのニュージーランド人の彼とオーストラリア人の友達は、時々「ニュージーランドでも、これって同じだったんだ」とか「オーストラリアでも、この言葉使われてたんだ」とか、お互いに発見し合っています。
他にも、アメリカやイギリスでは嫌悪されているCワードの「cunt」ですが、ニュージーランド、オーストラリア、どちらの国も普通に使います。
使用例を1つあげると、「good cunt」で「いいヤツ」という意味で使ったりします。彼らが使うからといっても、日本人は使わないほうがベターです。
このように、ニュージーランド英語とオーストラリア英語には共通点がたくさんあるので、似ていると言われます。
ニュージーランド・オーストラリア英語の意外な違いとは?
ニュージーランド英語とオーストラリア英語は、似ていると言われています。しかし、意外なところで決定的な違いがあります。
英語が初心者の人にとっては、ネイティブ同士が話している英語は全てが早くて、同じスピードで話しているように聞こえますよね。私も数年前まではそう思っていました。
でも、実は国によって話す英語のスピードが違うって知っていましたか?私はニュージーランド在住4年半なんですが、ニュージーランドに住み始めてからスピードの違いを実感しています。
というのも、実はニュージーランド英語は、世界で一番早口の英語と言われています。これは、ニュージーランドにあるカンタベリー大学の研究で、実証されています。
この研究では、1分間のスピーチに平均で何音節が入っているかを調査しています。
ニュージーランド英語 | オーストラリア英語 | アメリカ英語 | イギリス英語 |
280音節 | 230音節 | 250音節 | 260音節 |
数値を見ても、何のことだかって感じですよね。簡単に言うと、数値が高いほうが、同じ1分間でもたくさんの言葉を発しているということです。
私はニュージーランド人のパートナーや沢山の友達がいて、ニュージーランド英語に慣れているので、他の英語圏出身の友達の話す英語がすごくゆっくりに感じるんです。
実際オーストラリア人の友達もいますが、オーストラリア人の英語はニュージーランド人の英語よりは、はるかにゆっくりに聞こえます。
少し前まで、私はオーストラリア人や他の英語圏出身の友達は、私のためにゆっくり話してくれていると思っていました。
しかし、ニュージーランド出身の私のパートナーにも、私と同じスピードで話していたので、普段から話すスピードがゆっくりなんだということに気が付きました。
日本では英語圏出身者が日本人に対してゆっくり英語を話してくれるので、違いを実感するのは難しいですが、ニュージーランド英語とオーストラリア英語の大きな違いは話すスピードです。
ニュージーランド・オーストラリア英語はアルファベットの読み方にも違いが!?
「これ、本当なの?」って思うくらい、意外ですよね。どのアルファベットかというと、「H」です。ニュージーランド英語では、日本人も馴染みのある「エイチ」と発音します。しかし、オーストラリア英語では、Hは「ヘイチ」という感じの発音になります。
私のオーストラリア人の友達で、なるべくオーストラリア英語の発音で話さないようにしている友達がいます。その人でさえ、「H」は「ヘイチ」という感じで発音していました。
実は私、オーストラリアが英語圏で初めて長期滞在した国だったので、オーストラリア渡航後、「H」の発音って英語では「ヘイチ」なんだと、しばらく勘違いしていました。もし、「ヘイチ」と聞こえたら、「オーストラリア出身?」とぜひ聞いてみてください。
ニュージーランド・オーストラリア英語訛りと呼ばれる特徴的な発音
それに、ニュージーランド英語もオーストラリア英語も、訛っていて聞き取りにくいという人もいます。しかし、アメリカ英語も、イギリス英語も一種の訛りです。
それに、この2ヶ国の訛りに対応できるようになると、色んな英語の発音に対応できるアドバンテージになります。
それぞれの訛りを聞き分けられるようになるので、ネイティブに出身国を聞かなくても当てられるようになって、楽しいですよ。
ニュージーランド英語の特徴的な発音
私はこれにより、渡航して最初の3ヶ月は現地の友達との会話の途中で、内容を見失うことが多々ありました。いくつか例をご紹介します。
bed(ベッド)→ビッド
red(レッド)→リッド
ten(テン)→ティン
数例しか記載していませんが、もっと多くの単語の発音が変化するので、会話を見失っても何もおかしくありません。
私は3ヶ月経った頃から、この紛らわしい発音の違いを、勝手に脳内で変換できるようになり、今ではあまり問題は感じません。
他にも面白い特徴が、「Ben」(ベン)という名前が「ビーン」のように発音されることです。私は最初、このニックネームを完全に豆の「bean」って呼ばれていると勘違いしていました。
人によっては、伸ばし具合が短く「ビン」っぽく発音する人もいます。みんなバラバラですが、ニュージーランド人は誰も気にしません。
有名だけど実は耳にしないニュージーランドの発音
しかし、実際にそんな風に聞こえるように発音をするニュージーランド人に私は出会ったことはありません。ニュージーランドの田舎に住む、私のパートナーのお母さんでさえ、そんな発音はしません。
ニュージーランド人の私の彼は、「実際にフッシュ・アンド・チュップスと発音するニュージーランド人がいない」って話をオーストラリア人の友達にされた時に、大笑いしていました。
高齢層や田舎の人で一部この様に発音する人がいるかもしれませんが、ほとんどのニュージーランド人はこの様に発音していないのが現実です。
オーストラリア英語の特徴的な発音①【A】
space(スペース)→スパイス
day(デイ)→ダイ
okay(オゥケイ)→オゥカイ
よく「today」が「to die」に聞こえて青ざめたなんて話を聞きます。私は、前後の文の流れで判断をしていたので、実際に混乱したことはないです。
しかし英語初心者だと、この聞き間違えも起こりそうですね。最近、若い人や都市部の人は、強いオーストラリア訛りを敢えて使わない人もいます。なので、オーストラリア人が必ずしもこの発音をするとは限らないと言ったほうがいいでしょう。
オーストラリア英語の特徴的な発音②【R】
イギリス英語っぽい発音になります。例をいくつか挙げます。
there(ゼア)→ゼー
care(ケア)→ケー
カタカナで見ると何だか、気の抜ける感じですよね。慣れていないと、何を言っているのか分からない場合もあります。結構頻繁に使う単語も多いので、知っておいて損はないです。
ニュージーランド英語はアメリカ英語ほど「R」は強調しませんが、オーストラリア英語のように「R」が消えすぎないのが違う点です。
↓こちらのYouTube動画では日系のアメリカ人がニュージーランド英語とオーストラリア英語の雰囲気の特徴を紹介しています。日本語の訛りに例えるという、一風変わった紹介も楽しめます。
ニュージーランド・オーストラリア英語の特徴的な単語や表現
ニュージーランド英語特有の単語や表現
- jandal
これは「ジャンダル」と発音して、ビーチサンダルのことを指しています。しかも由来は、日本のサンダル(Japanese sandal)だといわれています。日本人としては、嬉しいですよね。
- sweet as
お礼の返事で使います。「どうってことないよ」という感じです。私のパートナーや使う人はしょっちゅう使っていますが、最近は使う人は少なくなっています。
私のニュージーランド人の友達はこれの変形で「cool as」などと単語を変えて使いますが、そうなると意味は前の文章によって変わってきます。普通に考えると意味をなさない文章なので、他の英語圏出身者は「asの後ろは?」と混乱するようです。
ニュージーランド人はちゃんとした英語が話せないと、他の英語圏から言われるそうですが、これが一種の理由なんでしょうね。
- aye
エイという感じの発音です。文章の語尾に「~, aye?」で「~だよね?」という感じで使われたり、「Aye?」だけだと、「何て言ったの?」という風に使われたりします。
この「aye」を知らないと、ニュージーランドで生きていくのが大変なくらい、頻繁に使う人もいます。知っていたら、ニュージーランドでは困りません。
- kiwi
これは、ニュージーランドの有名なあの飛べない鳥のキウイです!と言いたいところですが、ニュージーランド人の愛称です。ニュージーランド人は彼ら自身を「kiwi」という愛称で呼びます。
ニュージーランド英語も「kiwi english」と言うほど浸透しています。私もニュージーランドというより、短くて言いやすいし、可愛いので、普段は「kiwi」を使います。
他にも、ニュージーランド英語は、先住民族のマオリ語を取り入れたりと、オーストラリア英語と違い、独自の英語文化を持っています。
オーストラリア英語独特の単語や表現
- thongs
ソングスという発音で、ビーチサンダルのことです。実は「thong」は他の英語圏では「セクシーな下着」を意味します。なぜか、オーストラリアではビーチサンダルは「thongs」なんですよね。
私はオーストラリアワーホリ中に、アメリカ人の友達に「新しいthongsを買った」と報告したら、「それって下着のこと?」って知っていてからかわれた経験があります。
- sanga
サンガと発音し、「sandwich」のことです。カフェなどでのメニューには普通は使われないのですが、口語で使う人もいるそうです。私は、実際に使っている人に出会ったことはないです。
YouTubeではオーストラリア人が使うって言っているビデオがあるので、人によって使う人と使わない人がいるといった感じです。
- ambo
「ambulance(救急車)」の略です。さすがにニュージーランド英語でも、この省略形は聞いたことがありません。何でも省略しちゃうオーストラリア英語ならではですね。
- choccy
「chocolate」の省略系です。これもオーストラリア英語の特徴の1つなんですが、「イー」で終わる省略系がオーストラリアには沢山あります。
この様な省略形は、あげるときりがないのがオーストラリア英語の特徴です。
まとめ
今回の「ニュージーランドとオーストラリアの英語の違いと特徴は?発音や訛りも」をまとめると、
- ニュージーランド英語とオーストラリア英語が似ているといわれる理由は、共通の表現が多いから
- ニュージーランド英語はオーストラリア英語よりスピードが早い
- ニュージーランド英語とオーストラリア英語でアルファベットの「H」の発音が異なる
- ニュージーランド英語とオーストラリア英語はそれぞれ訛りと言われる特徴的な発音がある
- ニュージーランド英語とオーストラリア英語はそれぞれ独自の単語や表現がある
ニュージーランド英語とオーストラリア英語は似ているといわれますが、こうして見ると結構違いがあるのが分かりますね。
実際、日本人には聞き分けるのが難しい発音もありますが、これを参考にニュージーランド英語とオーストラリア英語の違いを訛りや単語で聞き分けてみてください。
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