「インドに行くと人生観が変わる」そんな言葉を聞いたことがありませんか?とてもインパクトの強い国であり、訪れた人は好きな人と嫌いな人にハッキリ分かれると言われています。
ここには広大な土地に様々な観光スポットがありますが、日本とは異なる文化でとても興味深いものです。
その中でも「インドといえばここを見ないと始まらない!」と言える有名な世界遺産、タージ・マハルを元インド妻が紹介したいと思います。
インドってどんな国?
インド(またはインド共和国)は南アジアの中で随一の面積を誇る国(なんと日本の約8.8倍)です。人口は13億を越え中華人民共和国(中国)に次ぎ世界第2位ですが、今にも1位になりそうな勢いです。世界中の人口の60%をこの国と中国が占めているそうです。
公用語はヒンディー語と英語ですが、多様な民族、言語、宗教により構成されています。ちなみにインド憲法で公認されている言語は21語もあります。
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首都はニューデリーで、首都圏人口は世界第5位。北部にあるニューデリーは冬にはコートが必要なほど気温が下がります。イギリスの植民地だったことがあり、区画整備され、イギリス様式の建物も見られます。
最大の都市はムンバイで、西部に位置しビジネスの中心地となっています。
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世界遺産タージマハルとは?悲しくもロマンチックな歴史
【タージ・マハル】
インドといえば必ず紹介されるタージ・マハル。とても有名ですが、その歴史については知らない方も多いのではないでしょうか?
事前にタージ・マハルについて歴史を勉強してから訪れると、さらに心に残るものになること間違いなしです。それではタージマハルについてご紹介していきます。
世界遺産とは?
世界遺産とは、世界中の人々が過去から未来へと引き継ぎ、大切に守っていかなければならない世界共通の遺産をいいます。
1972年にユネスコ総会で採択され、世界遺産条約で定義された建造物や自然、景観や遺跡の数々。世界遺産リストに登録され、名誉あるものばかりです。
世界一美しい霊廟
タージ・マハルは世界一美しい霊廟と言われています。霊廟とは先祖の霊をまつった建物を言います。シンメトリーに白大理石でできた白亜の壁や美しい彫刻。それは想像していたよりも大きく、細部にわたるまで美しい技法が施されています。
私もメインゲートをくぐり、初めてこの建造物を目にしたときは本当に感動しました。特に晴れている日には、青空にその白亜の壁がとても映えてなおさら美しさが光ります。
イスラム様式の建築
インドといえば今日ヒンズー教が人口の8割を占めていますが、当時のムガル王朝ではイスラム勢力がこの地を支配していました。
その為、タージ・マハルはイスラム様式の建築となっています。
妻への愛の証
タージ・マハルはムガル帝国第五皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に亡くなった妻の為に建てた墓廟です。妻の名はムムターズ・マハル。生涯で14人もの子を産み、シャー・ジャハーンの遠征に付き添った先で14人目の子を出産後、36歳という若さで亡くなりました。
妻がなくなった時、シャー・ジャハーンはとても悲しみました。妻の遺言で「後世に残る立派なお墓に入れてほしい」とあったこともあり、彼女の墓廟としてタージ・マハルを建てる事を決めました。タージ・マハルの名前もムムターズ・マハルの名からきているそうです。
1632年に建設を開始し、20年以上もの年月をかけて、1653年に全ての工事が完了しました。愛する妻の為に、これだけの年月をかけて壮大なものを作ってしまうなんてロマンチックですね。
さらにシャー・ジャハーンは、ヤムナー川の対岸にタージ・マハルと対をなす形で黒大理石製の自分の廟を作ろうとしました。ですがタージ・マハルに莫大な費用を費やしすぎたこともあり、国の財政は傾いてしまい、実現はしませんでした。
白いタージ・マハルと対をなす黒いタージ・マハル。もし建てられていたらきっとお見事だったでしょう。個人的にも少し残念です。
第五皇帝の悲しき最期とは?
当時のムガル王朝は常に皇位を巡る争いがあり、第三皇子だったシャー・ジャハーンも皇位継承権を持つ一族の男性たちをすべて殺し、帝位に就きました。やがてその連鎖は自分にも降りかかります。シャー・ジャハーンが病気になると4人の息子が帝位を巡り争いました。
シャー・ジャハーンは第一皇子のダーラー・シコーに皇位を継がせようとしましたが、最後に帝位を勝ち取ったのは第三皇子アウラングゼーブでした。
アウラングゼーブは父であったシャー・ジャハーンをアーグラ城に幽閉。シャー・ジャハーンはアーグラ城から見える妻の眠るタージ・マハルを眺めながら余生を送ったといいます。死後、シャー・ジャハーンはタージ・マハルの妻が眠る脇に葬られました。
400年の時を超えた幻想的建造物
イスラム教では対称性を重視しますが、タージ・マハルは全てが左右対称に作られています。夫妻の墓石はこれに反していますが、アウラングゼーブが父シャー・ジャハーンを憎んでいたためだと言われています。
もしタージ・マハルを訪れる機会があったら、アーグラ城にもぜひ行ってみてください。遠方にタージ・マハルが見えます。同じ景色を何百年も前にシャー・ジャハーンが見ていたのかもしれない。そうと思うとなんだか感慨深いですよね。
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タージ・マハルの入場料や営業時間は?
タージマハルの場所は?
タージ・マハルはインドの首都デリーから200㎞南下したアーグラという都市にあります。この都市は、ガンジス川最大の支流であるヤムナー川沿いに位置し、その周辺における政治、経済、文化の中心となっています。
タージ・マハルの他には、ムガル帝国三代皇帝のアクバルが建てたアーグラ城塞、ファテープル・シークリーと3つの世界遺産があります。せっかくアーグラを訪れたからには、他の世界遺産もぜひ見学することをお勧めします。
アクセス
デリーからアーグラへは特急列車で2時間程で到着します。最寄り駅はアーグラ・カント(Agra Cannt)。駅からは車で15分、オートリキシャーで20分程でタージ・マハルに着きます。
東・西・南の3つの門があり、車やオートリキシャーで乗り入れが可能なのは南門となります。また車での1㎞圏内の乗り入れは禁止されており、排気ガスなどでタージ・マハルが汚れるのを防ぐ為、入場ゲートまでは無料の電気自動車での移動となります。
タージ・マハルの場所はこちら↓↓↓
入場料と営業時間について
入場料
入場料は大人は現在1300Rs(ルピー)(約1,885円)となっていますが、15歳以下は無料です(※1ルピー=約1.45円 2020年9月時点)年々値上がりしている可能性がありますので、詳しくはHP等をご覧ください。
タージ・マハルの入場料自体は1100Rsですが、ADAという(観光税のようなもの)インド考古学会に支払う金額200Rsがかかります。
ADAチケットがもらえますので、タージ・マハル以外の観光地でこちらを見せればその場所のADA料金が無料になります。ただし有効期限はその日のみ有効です。
また、入場料を払ったら持ち込み可能なお水のボトルと靴にかぶせる袋をもらえます。見学時は宮殿の手前から土足禁止になるので、そこでこの袋を靴にかぶせて使用します。
営業時間
営業時間は日の出から日没までとなりますが、毎週金曜日は休日となります。
本来夜間の入場はできませんが、満月の夜とその前後2日間は20:30~翌0:30の間の30分間のみ、夜間入場が許可されます(Archaeological Servey of Indiaにて要事前予約)。ただし、ラマダンの時期は夜間入場は行われません。
月明かりに照らされたタージ・マハル。想像しただけでも神秘的な光景ですよね。チャンスがあればぜひ夜のタージ・マハルも訪れてみて下さい。
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観光の見どころと注意点、ベストシーズンは?
見どころは外観以外にもたくさん!
タージ・マハルは外観ももちろん素晴らしいですが、近づいてみると花模様や幾何学模様、イスラム教の経典であるコーランの一説が象嵌細工という繊細な方法で装飾されています。
外観から内装、文字や彫刻まですべて計算しつくされ、左右対称に作られています。彫刻に埋め込まれた宝石類は全国各地から集められ、28種類もの宝石が使用されました。
タージ・マハルの設計にはイスラム国から有名な建築家や工芸家が多く集められました。大理石に施された彫刻は実に見事で美しいです。そしてその建設工事には2万人もの人々が携わっています。たくさんの職人の魂が込められた作品をぜひ堪能して頂きたいです。
こちらの動画をみるとばっちりタージ・マハルの事を事前に予習できますよ↓↓↓
大楼門
庭園へと続くメインゲートです。赤砂岩でできた高さ30mのゲート。このゲートをくぐった時に見えるタージ・マハルはとても壮大です。
庭園
大楼門をくぐった先に天上の4本の川を表す4本の水路があり、この水路が交わるところに天上の泉を表す池が配置されています。
この水路に映る逆タージ・マハル。皆さんの中でもお馴染みではないでしょうか?
墓廟
墓廟内部中央の八角形のホールには、ムガル帝国第五皇帝シャー・ジャハーンとその愛妃ムムターズ・マハルのお墓があります。
象嵌細工が施された大理石の壁は実に美しいです。小さい方がムムターズ・マハル、一回り大きい方がシャー・ジャハーンのお墓です。
しかしこれは参拝用のもので、本来の墓石は地下室に安置されています。
ミナレット
墓廟の外側に配置された4本の小塔。気になりませんか?これがあることによって、主役の墓廟が絶妙なバランスで際立っています。
万が一倒れても墓廟を傷つけることがないように、少し外側に傾くように設計されています。どこまでも細部まで計算されているのですね。
観光の見どころ箇所 | おすすめ度 |
大楼門 | ★★★★☆ |
庭園 | ★★★★★ |
墓廟 | ★★★★★ |
ミナレット | ★★★☆☆ |
注意すべきこと
観光ガイドや写真の押し売りに注意
インドの観光地ではよくあることですが、タージ・マハルにも「案内してあげるよ」、「写真を撮ってあげる」などと近づいてきて、頼んだらちゃんとしたガイドではなかったという場合もあります。後でチップを請求される場合もあります。
中には政府認定の本物のガイドもいるので見極めが難しいところではありますが、必要なければハッキリとノーと言いましょう。
荷物持ち込み制限あり
タージマハルはその美しさを守る為、荷物の持ち込み制限があります。
ペンや飲食物、大きなカバンは持ち込めないので、あらかじめ荷物を最小限にしていくのがベストです。
荷物を最小限にするのが難しい場合は荷物預り所へ荷物を預けることも可能です。(有料)
スリや痴漢に注意
混んでいると、スリや痴漢にあうことがあります。感動して写真を撮るのに夢中になりすぎないようにご注意下さい。インドの人込みでは常に注意が必要です。
撮影制限あり
タージ・マハル場内はカメラやビデオの撮影制限があります。ビデオ撮影ができるのは庭園の手前まで、カメラ撮影は墓廟の手前まで、
墓廟内は一切の撮影が禁止となっているので、ご注意下さい。
ベストシーズンはいつ?
インドは10月~3月が乾季となり、観光のベストシーズンです。ただし12月中旬から1月中旬は霧が発生しやすいです。
3月~6月は非常に暑いので、日傘や日焼け止めなどの対策が必要。7月~9月は雨季となり、観光には不向きのため避けた方がいいと思います。
また、インドは暑い国というイメージがあると思いますが、北部は気温が10度を下回る事があります。ですので、時期によっては上着が必要です。
私が行った際は1月でしたが、冬用のコートを着用していました。意外ではありましたが、結構寒いです。
シーズン | 注意事項 | おすすめ度 |
10月~3月 | 乾季 ベストシーズン | ★★★★★ |
12月中旬~1月中旬 | 霧が発生しやすい | ★★★☆☆ |
3月~6月 | 非常に暑い | ★★★☆☆ |
7月~9月 | 雨季 | ★☆☆☆☆ |
暑い国では日傘が大活躍です↓↓↓
まとめ
インドの世界遺産タージ・マハル、観光する上でのポイントを下記にまとめてみました。↓↓↓
- タージ・マハルは宮殿ではなく、ムガル帝国第五皇帝が愛妃の為に建てた墓廟。
- 全てが左右対称に作られている中、簿廟内部の皇帝と妃の墓は非対称。
- 全体像だけでなく、壁に施された細工も見物。
- 押し売りやスリに注意。
- 乾季に行くのがおすすめ。
タージ・マハルは本当に一生に一度は見て頂きたい場所です。
私も記事を書いているうちにまた行きたくなってきました。ぜひまた行ってみたいと思います。みなさんも安全にきをつけてインドの旅をお楽しみ下さい!
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