英語の発音やリスニングの学習でつまずく王道といえば、LとRですよね。どちらもカタカナではラ行で表記し、日本語にはない発音です。
元々日本語に存在していない発音ですから、苦手なのは仕方がないことです。ですが、 LとRを発音し分け、そして聞き分けれないと英語は上達しませんし、人に通じません。
LとRの発音が出来れば、かなり日本語訛りの英語から脱却できます。日本語訛りの英語から脱却したいあなたに、練習方法を紹介します!
1.LとRが発音できるメリット
LとRが発音できるようになると、メリットがたくさんあります。単に日本語訛りから抜け出せるだけではないんです!
①流暢な英語に聞こえる
日本人を悩ます発音が上手くなる、これが真っ先に思いつくメリットですよね。
LとR以外にも日本人が苦手とする発音はありますが、LとRは出てくる頻度も多く、有声音(声帯の振動を使って発生する音)なので目立ちます。反対にfやthなどは無声音(声帯の振動を使わず発生する音)なので、音が小さく目立ちにくいです。
もちろん、LとRが完璧発音できれば流暢に聞こえるかと言われるとそうではありません。リンキングや強弱などの要素も必要です。しかし、流暢に一歩近づく事には間違いありません。
②コミュニケーションが取れるようになる
「え、どういう事?」と思いますよね。とりあえず英語を話していれば相手とコミュニケーションは取れているはず、そう思うでしょう。
しかし、LとRが発音し分けられないと、正確なコミュニケーションが取れないことがあります。以下の表を見てください。
ここに挙げたのはほんの一例ですが、LとRだけで意味が随分と変わってしまう単語がありますね。大抵は相手が文脈で「こう言いたいんだろうな」と汲み取ってくれますが、LとRが発音し分けることができなければ誤解が生まれる可能性があります。
例を挙げれば
A:日本人
B:ネイティヴ
A:I visited Miyajima yesterday. And I encountered my friends. So, I prayed with them.(私は昨日宮島を訪ねたよ。そして、たまたま友達と会ったんだ。だから友達とお祈りしたよ。)
B:(「I played with them.(私は友達と遊んだ)」に聞こえる)
What did you play?(何をして遊んだの?)
A:(「What did you pray?(何を祈ったの?)」に聞き間違える)
I prayed for the safety and well-being of my family.(家内安全を願ったよ)
B:(playではなくprayであることに気がつく)
Oh, you prayed! (あぁ、あなたは祈ってたのね!)
なんてやり取りが起きるかもしれません。
相手に毎度文意を汲み取ってもらうのも申し訳ないですよね。円滑なコミュニケーションを取るためにも、LとRの発音ができるようになることは大切です。
③リスニングとスペルの暗記に役立つ
②の表のように、LとRが違うだけで随分と意味が異なる英語単語はたくさんあります。リスニング問題で発音された時、聞き分けられないと問題が解けませんよね。
また、文脈で判断できることも多いとはいえ、聞き分けられないと会話もすれ違います。上記の会話文でもAはplayとprayを聞き間違え、勘違いした状況が続きました。
また、基本的に英語は発音できれば聞けますし書けます。単語のスペルを発音で覚えている人は、LとRがしっかり発音できれば「……あれ、どっちだったっけ?」と悩まずに済むようになります。
2.LとRの発音の仕組み
練習法を紹介する前に、LとRの発音の仕組みを見ていきましょう。
Lの発音
まずLですが、「上前歯の裏に舌を付ける」ことで英語のLの音になります。ポイントは上前歯の裏であること。
これが舌をもっと奥の方に付けると日本語のラ行の発音になります。
学校の先生で 「Lは日本語のラ行だからRを練習しろ」とか言う方もいますが、英語のLと日本語のラ行は全くの別物です。たまに似たように聞こえるかもしれませんが、口の中は全く違います。 LはLで練習が必要です。
Rの発音
次、Rですが……これを声を大にして言わせてください。 「Rは巻き舌じゃない‼︎」
「え、何言ってるの?」と思うかもしれませんが、Rの発音は巻き舌ではないんです。Rの発音では、舌は口内のどこにも付かずに宙に浮いています。
Rは舌を引っ込めている感じです。引っ込めた際に力の入れ方によっては少し舌の先が巻くかもしれませんが、意識的に舌を巻くことはありません。
ずっとRの発音の口の形をしていると、舌の筋肉が疲れます。きっと筆者をタン塩にしたら美味しいでしょうね……。
って、そんなジョークはさておき、Rの発音でするような舌の動きを日本語ですることはほぼありません。なかなか慣れないとは思いますが、図をイメージして舌を少し引っ込めて宙に浮かせてください。
もともと、日本語と英語(主にアメリカ英語)では口内で舌の置く位置が違います。英語の場合は日本語より舌の位置が低く、口を軽く開けるだけで喉ちんこが見えます(日本語では見えません)。
英語は喉ちんこが見えるほど舌の位置が低いから、Rのような喉の奥で作られる音が出るのです。 Rは喉の奥を意識してみてください。
尚、ここに乗せたイラストは筆者のなけなしの画力で描いたものです。口の中の構造とか、舌の形とか少し不自然なところもあるかもしれません。あくまでイメージです。
3.練習方法
それでは、練習方法を紹介したいと思います。
①舌のポジションを覚える
LにおいてもRにおいても舌のポジションを覚えてください。2.の2つの図をイメージして、L、R、L、Rと交互に置いてください。声は出さなくて大丈夫です。
仕事しながらでも、勉強しながらでも、お風呂に入っている時でもいいです。気がついた時に「英語のLはこうでRは……」と思い出しては練習してください。
こうやって練習していれば、英語の舌の動きに慣れるので英語の発音が楽になります。どうしても日本語は発音に関して省エネな言語なので、英語を話すと普段使わない筋肉を使います。
筋肉痛にならないように、舌の筋トレも兼ねてL、R、L、Rと舌を動かしましょう!
②実際に発音する
舌の位置がわかってきたら発音します。1.の表にあるようなLとRで異なる意味の言葉を発音してみましょう。喉の奥で響くので、 Rの方が少しくぐもった音になると思います。
1つ1つの単語が発音できたら、交互に言ってみましょう。Light Right Light Rightといった感じです。①でのトレーニングが効くと思います。これをしてないと人によっては舌が攣ります。
③早口言葉に挑戦する
英語で早口言葉は「Tongue Twister 」と言います。早口言葉が言えれば、普段の会話でLとRが連続してきても対応できます。おすすめのTongue Twisterはこちら。
Truly rural.
Red blood, bad blood.
Red lorry, yellow lorry.
Red Leather Yellow Leather.
Lad Larry rarely loves lyres.
Revelers revel in leveling levels.
A loyal warrior will rarely worry why we rule.
これらを続けて3回言ってみてください。もう舌がよじれまくります。だからTongue Twister(舌がよじれる)なんです。
無理しない程度に、毎日上記のどれかを繰り返し言いましょう。継続すれば確実にLとRの発音が上手になります。
以下はTongue Twisterの動画です。発音が明瞭でわかりやすいですよ。
4.まとめ
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- LとRの発音を極めると英語が流暢に聞こえるだけでなく、コミュニケーションが円滑になり、リスニングやスペル暗記にも効果がある。
- Lは日本語のラ行ではないしRも巻き舌ではない。舌はLでは上前歯の裏、Rでは宙に浮いている。
- 舌の位置を覚え、実際に発音し、早口言葉に挑戦する。
なかなか難しいLとRの発音。どちらも日本語にはない発音ゆえに、一朝一夕にできるようにはなりません。ですから、コツコツ毎日練習して日本語訛りから脱却しましょう!
くれぐれも練習中に舌が攣らないように気をつけてくださいね!
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