日本人がどうしても苦しみ、コンプレックスに思わざるを得ない英語の発音。言語間の発音の差が大きいため、発音はどうしても日本人にとっては不得意な分野です。また、日本国内では日常生活の中で英語を使うことはさほどないので、向上しにくい分野でもあります。
その発音が今、おそらくあなたの手の中にあろうスマホで解決できたら……嬉しいですよね?
今の世の中はとても便利です。英語学習においては、スマホがあれば完結すると言っても過言ではないほど。発音だってスマホでカバーできちゃいます!
ここでは、筆者が実際にアプリストアで探し、インストールして試した結果「使い勝手がいいなぁ〜」と思ったものを紹介します。実際に使用して決めた精鋭アプリたちなので、ハズレはないと思います。(2019/3/31時点、アップデートによる仕様変更、配信停止はご容赦ください)
iOS、Android両方で使えるアプリとiOSのみのアプリがあります。表記しておりますので、確認してからアプリストアへ行ってくださいね。
1.発音アプリ集❶耳から育てる編
やはり発音するためには、その音を聞けなければいけません。「聞いて発音」が英語の鉄則です。ここでは、英語耳を育てるためのアプリを紹介します!
①英語耳ゲー R&L
RとLの聞き分けに特化したアプリです。
販売元:KAZUYA KAMIOKA
アプリ内課金:無し
会員登録:必要ない
操作:タップのみ
収録音声:ネイティヴスピーカー(米・英・豪)
サイトURL:http://kazuyakamioka.com/app/pc/ja
サイズ:12.4MB
OS:iOS、Android
備考:イヤホンを使用するのがオススメ
ゲームではありますが、非常に高度なRとLの聞き分け能力が要求されます。英語をカタカナで捉えてしまう日本人の耳を矯正するのに最適なアプリでしょう。
また、音声が男女5人ずつの計10種類で、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語が収録されているため、多少訛っている英語にも対応できるようになります。何回もやると「これはアメリカ」「これはイギリス」「これはオーストラリア」ってわかるようになりますよ。わかるようになるとちょっと楽しいです。
私的にはイギリス英語はアメリカ英語よりもRの発音を強調しないので、はじめは聞き取りにくいかなぁと思います。慣れれば聞き取れるようになります。
「音声が変わると混乱する!」という方は、はじめに『トレーニング』の部分をタップし、個別の音源を聴きましょう。一通り聞いてからゲームを開始するとやりやすいです。
②英語耳ゲー2 B&V
同じ方が作られているアプリで、第2弾となります。こちらはBとVの違いに焦点を当てています。
販売元:KAZUYA KAMIOKA
アプリ内課金:無し
会員登録:必要ない
操作:タップのみ
収録音声:ネイティヴスピーカー(米・英・豪)
サイトURL:http://kazuyakamioka.com/app/pc/ja
サイズ:12.3MB
OS:iOS、Android
備考:イヤホンを使用するのがオススメ
こちらも同じく、ゲームではありますが BとVの高い聞き分け能力が必要となります。音声も男女5人ずつ計10人、アメリカ、イギリス、オーストラリアの3地方のネイティヴによるものになっています。R&L同様、クオリティが高いです。
私的にはR&LよりB&Vの聞き分けの方がしやすいですが、これは個人差だと思います。どちらから学習を始めても良いと思います。
この2つのアプリはサイズがそれほど大きくありません。合わせても 25MB以下です。まとめてインストールしてしまいましょう!
2.発音アプリ集❷ 実際に発音する編
実際に発音して、自分の発音がどれほどネイティヴに近いのかを確かめたり、練習したりするアプリを紹介します。
①Duolingo(デュオリンゴ)
DuolingoはThe Wall Street Jornal 誌、TIME Magazine 誌、PC Magazine 誌、日本経済新聞、Lifehacker Japanなど、名だたるメディアが取り上げているとても優秀なアプリです。年間最優秀アプリ(iPhone app of the year)も受賞しています。
販売元:Duolingo.Inc
アプリ内課金:有り(課金しなくても使えます)
会員登録:必要
操作:タップ、タイピング、マイク
言語:英語、約20言語が学べる
公式サイト:https://ja.duolingo.com/
サイズ:113.4MB
OS:iOS、Android
備考:マイクを使用します
課金があるとされていますが、使用自体はすべて無料で使えます。勉強中のアプリ画面に広告はなく、広告は1レッスン終えるたびにスポンサー広告が出てくるだけなので、ストレスなく勉強できます。
Duolingoの凄いところは効果が証明されているところです。調査によると、Duolingoで34時間勉強すると、大学で1学期語学を勉強したのと同じ効果が出るとのこと。「大学でもっと語学しておけば良かった〜」という人の学び直しにもピッタリです!
英語以外にもフランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、アラビア語、中国語、韓国語などなど、20言語が学べます。ある程度英語を習得したら他の言語に手を出して見るのも良いかもしれません。
英語は折衷言語です。英語の中にフランス語の単語・表現やドイツ語の単語・表現が隠れていたりします。英語の勉強をしている人が、フランス語やドイツ語を途中で勉強して再び英語に戻ると、より英語力が向上することがあります。
基本的には3択問題、並び替え問題、タイピング問題が多いですが、1レッスンの中に3問ほど発音問題があります。自分の発音が通用するかAIが判断してくれますよ。
英語力を総合的に伸ばしながら発音も良くするなら、Duolingoをインストールしましょう。「ちょっと容量が……」という方も大丈夫!Web版があるので、容量が不安な方はそちらを使ってください!
②英語発音ドリルAtoZ
こちらは発音の中でもイントネーションを重視している印象を受けます。お手本の音声を聞いてから、マイクボタンを押して発音します。
販売元:MINTFLAG Inc.
アプリ内課金:無し
会員登録:不要
操作:タップ、マイク
音声:アメリカ英語
サイズ:88.5MB
OS:iOS、Android
備考:マイクを使用します
このアプリでは声の波形で採点がなされます。対象年齢は9〜11歳とされていますが、大人が使っても十分勉強になるアプリです。挨拶など実用的なフレーズが多いので、旅行前なんかに使うのも良いでしょう。
お手本と自分の発音を聞き比べることができるので、自分の発音のどこが違うのか確認することができます。レベルがいくつかあるので、英語が苦手な人はレベル1から順番にやっていくと良いでしょう。
会員登録も課金もなく、手軽なので1度インストールしてみてください。挨拶からネイティヴ発音になれます!
③ELSA Speak(エルサ スピーク)
人工知能が発音を教えてくれるアプリです。ELSAはトップクラスの言語学者、AI研究者によって開発されており、世界最大のスタートアップ・コンテスト「SXSWEdu Launch 2016」でも優勝しています。
販売元:ELSA,Corp.
アプリ内課金:有り
会員登録:必要
操作:タップ、マイク
音声:アメリカ英語
サイズ:89.8MB
OS:iOS、Android
備考:マイクを使用します
このアプリでは1週間はフリートライアルです。課金しない場合は制限付きの状態で使用できます。全てのコンテンツを利用する場合、1ヶ月450円かかります
このアプリはとても発音の評価精度が高く、発音が違うところはしっかり指摘してくれます。指摘の仕方も結構丁寧で、「単語のこの部分が違うよ」と違うところを赤字で表示してくれます。
アメリカ英語をがっつり学びたい方にはオススメです。今までイギリス英語を学んできた方には少し不利なところがありますので、自分がどちらの英語を主に学びたいかでインストールするか、課金するかを選びましょう。
④シャドーイング
シャドーイングに特化したアプリです。世界屈指の外資系証券会社のNY本社で働いた経験のある開成OBの方が開発したもので、シャドーイングする上でとても効率が良いようにできています。
販売元:Picup Inc.
アプリ内課金:有り
会員登録:不要(Apple IDで承認のため)
操作:タップ、スワイプ、マイク
音声:アメリカ英語(前アメリカ大統領バラク・オバマ)
サイズ:830.8MB
OS:iOSのみ
備考:マイクを使用します
見る限り、全てオバマ前大統領のスピーチを使ってシャドーイングするようです。分野は多岐に渡ります。無課金では初めの3つのコンテンツのみ使用できます。課金すると全てのコンテンツが使用可能です。金額は1ヶ月480円です。
大統領という立場では大勢の国民に向かってスピーチするので、発音は明瞭でスピードも聞き取りやすいです。アメリカには英語を母語としない人もたくさんいますからね。発音がはっきりとしています。
また、オバマ前大統領はスピーチがとても上手い人です。オバマ前大統領は雄弁家として知られており、人を引き込むスピーチをします。オバマ前大統領になりきってシャドーイングする事で、スピーチ力も磨けるかもしれません。
以下はオバマ前大統領が広島で演説した際の動画です。
このアプリの特徴は、右半分にシャドーイングした文章が入力され、スクリプト文の方に正しい発音は緑、間違っている場合は赤で表示されるところです。どこが発音できなかったのか一目瞭然ですね。どれだけ正確にシャドーイングできたかはパーセンテージで表示されます。わかりやすいですね。
ただ、このアプリのネックは課金よりもそのサイズの大きさで830.8MBはアプリの中ではかなり大きい部類です。iPhoneの容量に余裕がある方はインストールして下さい。
3.変わり種アプリ
「英語、発音」でアプリストアを検索しても出てこないけれど、使い用によっては発音向上に繋がるアプリを紹介します。
①Google翻訳
「なぜGoogle翻訳……?」と思うかもしれませんが、使うのは翻訳機能ではありません。音声入力機能です。
販売元:Google LLC
アプリ内課金:無し
会員登録:無し
操作:タップ、タイピング、マイク
サイズ:58MB
OS:iOS、Android
備考:音声入力機能を使います
あまりにもカタカナ発音だとGoogle翻訳はうまく反応してくれません。また、RとL、BとVなどを間違えて発音すれば、そのまま打ち込まれます。間違いがわかりやすいのです。
翻訳アプリですから、普段の勉強や仕事にも使えます。ブラウザ版でも良いですが、アプリで入れておくと便利ですよ。
②オーディオブック
オーディオブックのアプリを入れておくと、シャドーイングをするのに便利です。スクリプトが付いているとより良いです。作者のオススメシリーズはこちら。
ABC英語で読んで聞く:シャーロック・ホームズ-緋色の研究第1部
(以下、ホームズ1として扱います。)
ABC英語で読んで聞く:シャーロック・ホームズ-緋色の研究第2部
(以下、ホームズ2として扱います。)
ABC英語で読んで聞く:アルセーヌ・ルパン-怪盗紳士ルパン
(以下、ルパン1として扱います。)
ABC英語で読んで聞く:アルセーヌ・ルパン-奇巌城
(以下、ルパン2として扱います。)
はい、筆者の趣味丸出しのラインナップですね。日本語訳で読んだことがある方もいると思います。全て同じ方によって出されているアプリです。
販売元:Yuichi HARA
アプリ内課金:無し
会員登録:無し
操作:タップ、スワイプ
音声:アメリカ英語、イギリス英語、アイルランド英語、オーストラリア英語、南アフリカ英語
サイズ:ホームズ1→1.2MB、ホームズ2→3.6MB、ルパン1→1.4MB、ルパン2→4.1MB
OS:iOSのみ
備考:速度が調節可能
このアプリの嬉しいところは、サイズが小さいところですね。全部インストールしても10MB強です。課金も必要ありません。
そして、なんといっても選べるアクセントの量がこれまで紹介してきたアプリとは桁違いです!機械音声による読み上げではありますが、これだけたくさんのアクセントを選べるアプリはないでしょう。速度も変更可能なので、速すぎると感じる時はゆっくりにしてシャドーイングしましょう。
また、本文中にある単語をダブルタップすることで、意味を調べることができます。わからない単語が出てきても、わざわざ辞書を持ち出す必要はありません!
発音のために作られていないアプリでも、使い方によっては発音を向上させることができます。 ○○用というのにこだわる必要はあまりありません。様々なアプリを使ってみて、「これ使えそうだなー」と思ったアプリを応用してみてください。
4.まとめ
- 発音向上させるためのアプリには、耳を育てるものと発音を採点するものがある
- 発音向上を意図して作られたアプリでなくても、使い方によっては発音を向上させることができる
アプリストアでは日々新しいアプリがリリースされています。時々覗いては学習に利用できるアプリがないか、探してみましょう。
アプリをうまく使えば、英語はより上達します。スマホの容量と相談しながら、ぜひ活用してみてくださいね!
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