2020年7月から有料化となったレジ袋。コンビニやスーパーで働く方の中には対応に追われていることでしょう。そして、これを海外の方に英語で伝えるにはどうしたら良いのか困っているという人もいるはず。発音やスペルもチェックしておきたいですね。
そこで今回は元観光地の某コンビニ店店長・元スーパーの販売員を務め、ホームステイ経験もある私が、レジ袋の有料化を伝えるのに使えるフレーズを紹介します。ここで取り扱うのは、観光地のコンビニや在日外国人の方々も訪れるスーパーで実際に使っていたフレーズばかりですよ!
レジ袋を英語で言うと…?
まずはレジ袋を英語で言えるようになりましょう。どの英単語ならば、海外の人にも通じるのでしょうか。
一般的に日本でレジ袋と言われているものを英語で言うと”plastic bag“になります。これがビニール袋を表す単語になるのです。日本のコンビニ、スーパーのレジ袋はほとんどビニール袋なので、この単語が合っていると言えます。
おそらく、調べた方の中には”shopping bag”や”bag”だけ言えば大丈夫、という風に他の言い方があることを知った方もいらっしゃるでしょう。
ですが、これらの単語は海外でレジ袋を指す場合に適しているものです。特にこの2つは紙袋という意味も包含しているので、はっきりと言い分ける必要がある時に使うのは向きません。
また、日本のブランドショップでもらえるショッパーやエコバッグのことも”shopping bag”と言います。そのため、”shopping bag”と言ってしまうと、立派な袋を用意してもらえると勘違いされてしまうかもしれません。
ちなみに、紙袋は”paper bag”と言います。有料化の対象には紙袋も含まれているので、こちらも覚えておくと便利ですよ。
日本に来た海外の方にレジ袋のことを伝えるときは、”plastic bag”と言うようにしましょう!
有料化を伝えるにはどうしたらいいの?
では、有料化は英語で何というのでしょうか?お店で今まで無料でもらえたものがいきなり有料化して困惑する海外の人もいるかもしれませんよね。お客様に説明しなければならない状況になることも今後有り得ます。
私がよく使うフレーズは以下のものです。
“You have to pay for a plastic bag.”
これを直訳すると、「レジ袋はお金を払う必要があります」という意味になります。”have to”と聞くと、「~しなければならない」といった意味を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
しかし、この場合の”have to”は「仕方なく~する必要がある」、というニュアンスで使われます。そのため、相手に強い口調で言っているように聞こえることはありません。
私もこういった理由から、このフレーズを使っています。実際に問題なく海外から来たお客様に意思を伝えることができているので、ぜひ皆さんも使ってみてください。
charge
他にも有料を表す英単語の1つに、”charge”というものがあります。よく電子マネーに入金することをチャージすると言いますよね。あのチャージが、有料化を指すのです。例えば、
“We charge for a plastic bag.”
と言うと、「レジ袋は有料です」という意味になります。
使えるフレーズとスペル、発音についても知っておこう!
ここからは、レジ袋の有料化に伴って使うことの多い言い回しを英語でどういうのか、チェックしていきましょう。こちらも実際に私が使っているフレーズです。発音の注意点も併せて特記するので、実際に使うときに役立ててください。
また、スペルにおける注意点も紹介します。従業員同士でフレーズを共有できるだけでなく、頭の中にスペルをイメージすることで、スラスラと文章が出てきやすくなりますよ。
袋が必要かどうかを尋ねるときに使うフレーズ
“Do you need a plastic bag?”
(レジ袋はご利用になりますか?)
お客様にレジ袋が必要かどうかを尋ねるときに使うフレーズです。”Yes”と言われたら、先述の”You have to pay for a plastic bag.”や”We charge for a plastic bag.”と返すことでスムーズにレジ袋にお金が必要であることを伝えられます。
英語では伝えたい要件に関わる大事な単語を強く言う傾向があるので、“need”と”bag”を少し強調して言うことを心がけましょう。こうすると、相手に自分の意図が伝わりやすくなります。
値段を伝えるフレーズ
“We charge 〇〇 yen for this plastic bag.”
(レジ袋は〇〇円になります。)
レジ袋の値段を伝えるフレーズです。各店でレジ袋の値段が変わるため、〇〇にレジ袋の値段を入れましょう。
また、大きさによってレジ袋の値段が変わるところもあります。このサイズのレジ袋は〇〇円です、というニュアンスで伝えるために、“plastic bag”の前に”this”を入れててください。お客様により伝わりやすくなります。
“yen”はスペルだと”y”が入りますが、発音は日本の「円」と同じで、子音は発音しません。したがって「エン」と読むことになります。
紙に商品を包むか尋ねるフレーズ
“Could I wrap it in paper? It’s free.”
(商品を紙にお包みしましょうか?こちらは無料となります。)
紙に商品を包むかどうかを尋ねるフレーズです。レジ袋の有料化に伴い、レジ袋や紙袋を使うでもなく、無料で商品を紙に包むお店も急増しました。そんなときに使えるフレーズとなっています。
この場合の”free”は無料を意味します。無料ならば包んでほしい、という方もいらっしゃるので、一緒に言うようにしましょう。
無料ではないのかと聞かれたときのフレーズ
“Japan started charging for a plastic bag.”
(日本でもレジ袋の有料化が始まりました。)
日本ではレジ袋は無料じゃないの?といった質問を海外の人からされたときに使えるフレーズです。何回か日本に来たことがある海外の方に聞かれたときに、実際にこちらのフレーズを使ったら納得いただけました。
後ほど詳しく説明しますが、海外にレジ袋を有料としている国はかなり多くあります。そのため、日本でレジ袋を無料でもらえたことに感激される方もいらっしゃるのです。それなのに突然無料じゃなくなったら、店員さんに聞いてみたくもなりますよね。
“charging”はさきほど紹介した”charge”のing形になります。動詞なので、文章によって形を変える必要があるのです。この質問に対し、もしも”When did it started from?”(いつから始まったの?)と聞かれたら、”In July 2020.”(2020年の7月からです)と答えましょう。
以上がお店でお客様を対応するときに使えるフレーズです。これらを使いこなせれば、お客様と滞りなくレジ袋に関する会話ができます。
海外のレジ袋事情を知っておこう!
お店の対応に関するフレーズをたくさん学んだところで、今度は海外のレジ袋事情を知っておきましょう! 今回は私が実際に行った国でのレジ袋にまつわる経験談を紹介します。海外の文化を知ることで、お客様の気持ちの理解にも繋がります。
カリフォルニア州での経験談①
最初に紹介するのはカリフォルニア州での経験談です。こちらは2013年に学校のプログラムで訪れ、州都のサクラメントにホームステイしていたときの話になります。
ホストマザーとスーパーを訪れたときのことです。まず、ホームステイ先を出発する前に日本で言うところのエコバックを持っていくように言われました。そのホストマザーがよく使うスーパーでは、レジ袋が有料だからです。
レジではエコバックを持っているか質問され、エコバックを差し出すと、店員さんがエコバックに商品をすべて詰めてくださいました(ちょっと話が脱線してしまいますが、アメリカのスーパーでは、店員さんが商品を入れてくださいます)。
ところが、途中でエコバックが満杯になってしまう事態に。すると入りきらなかった分は、ホストマザーが頼んだ紙袋の中に詰められました。
後から調べてわかったのですが、2013年当時、カリフォルニア州ではビニール袋の全面廃止という法案の採決が行われていました。当時は全会一致とはならなかったものの、賛成派が多数を占めていたそうです。
2015年7月にはこの法案は可決され、カリフォルニアではスーパーやコンビニでのビニール袋の配布自体が全面的に禁止されることになりました。これと共にエコバック持参を推進するべく、紙袋も10セント、日本円にして約10円で販売されるようになります。
そのためこの経験談のように、スーパーでエコバックに商品が入りきらなかったり、持ってくるのを忘れてきてしまった場合、現在では有料の紙袋を購入することとなります(2020年7月現在)。
こういった事情から、アメリカに住んでいる方は「日本は自分たちの文化とは違う」、「日本のレジ袋は無料である」というイメージを強く持っていることもあるのです。もしそういった方と接客するとなった際は、先述のフレーズを活用して対応しましょう。
カリフォルニア州での経験談②
次は2015年8月に再びカリフォルニア州を訪れた際の経験談です。この時はまた違う学生プログラムに参加するべく、ロサンゼルスに滞在していました。
同じプログラムに参加していた日本人の友達数名とショッピングモールを訪れた際の出来事です。ショッピングモールなので、服や靴などがたくさん売っており、日本で購入すると高いものが学生である自分たちでも手が届くような値段で販売されていました。
私もあるお店でとても可愛いカバンを見つけ、買うことにしました。先述の通り、前回渡米した際にレジ袋を購入していたこと、紙袋も有料化されたことを受けて、レジで小銭を多めに用意していた時のことです。
なんと店員さんに言われた金額は、値札のものと同じ値段でした。紙袋が欲しいと言えば購入するのかな、と思っていたのですが、慣れた手つきで店員さんが大きな紙袋にカバンを入れてくださいました。そう、同じカリフォルニアにあるこのお店では紙袋が無料だったのです。
びっくりしてしまったので、その場にいた友達にどうして紙袋が無料なのかを聞きました。様々な国の留学プログラムに参加したことのあるその友達が言うには、次のようなことが理由であるとのことです。
カリフォルニア州で紙袋が有料なのはスーパーやコンビニ、酒屋さんだけになります(2020年7月現在)。つまり、そこに該当しない洋服屋や靴屋、本屋やブランドショップなどでは紙袋を無料でもらえるのです。
2020年7月からレジ袋が有料化となった日本では、アパレルショップでもレジ袋は有料となっています。そのため、海外から来たお客様が服や靴を買う際に、レジ袋が有料であることを丁寧に伝える必要がある場合もあります。注意しましょう。
また、アメリカでは現在、新型コロナウイルスの影響を受けて再びレジ袋が無料化になるという動きがみられるそうです。
↓↓↓もっと気になる方はこちらの動画で再無料化について語られているのでぜひ見てください
台湾での経験談
続いては2016年に個人旅行で台湾に行った際の経験談です。台湾にもセブンイレブンやファミリーマートがあるので、毎日何かとお世話になっていました。
しかし、台湾のどのコンビニでどれだけ買っても商品をそのまま手渡しされることに疑問を持ち始めます。他のお客さんが自然なふるまいでカバンに商品を詰めていくので、私も最初はそうしていました。
でもどうしても気になり、ある時店員さんに袋が欲しいですと伝えてみました。そのとき店員さんが私に言ったのは、「3円です」というたった一言でした。
台湾でも袋が有料であることを知らなかったその時の私は、その店員さんがそんなことも知らないのかと言っているかのように思えてきて、やっぱり要りませんと断ってしまいました。
台湾ではスーパーやコンビニ、飲料店、パン屋や売店などでレジ袋が有料となっています。価格は日本とあまり変わりません。したがって台湾の方はレジ袋が有料であることを伝えた際、スムーズに購入してくださる可能性が高いです。
このように、海外によってレジ袋の事情は様々です。新しく有料化が始まった日本とも違った部分があるので、しっかりと理解しておきましょう。海外の事情を知っておくことは来日したお客様のためにもなります。
まとめ
今回はレジ袋の有料化によって店員が覚えておくと便利な英語のフレーズを紹介してきました。まとめると、
- 日本のレジ袋を英語で表現する際、”plastic bag“が相応しい。
レジ袋が有料であることを伝えるには、”You have to pay for a plastic bag.”や”We charge for a plastic bag.”というのが良い。 - “Do you need a plastic bag?“(レジ袋はご利用になりますか?)、”We charge 〇〇 yen for this plastic bag.”(レジ袋は〇〇円になります)、”Could I wrap it in paper? It’s free.”(商品を紙にお包みしましょうか?こちらは無料となります)、”Japan started charging for a plastic bag.”(日本でもレジ袋の有料化が始まりました。)といったフレーズは覚えておくべきである。
- 海外と日本ではレジ袋の事情がかなり異なる。
ということになります。
今回の記事で学んだことは、どれも日本のコンビニやスーパーで役立つことばかりです。これらのことをしっかりと覚えて、今後の接客でたくさん活用していきましょう!
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