英語のリーディングのコツは?内容を捉えて速読するために大切なこと

英語の技能のうち、テストで最も重視されるものはリーディングですよね。現行のセンター試験でも大門4、5、6は長文の問題ですし、新しいセンター試験では問題全てが長文になるとされています。実際に筆者は新試験のプレテストを受けましたが、正確な内容把握はもちろんのこと、読む速度も求められる文量だと思います。

新センター試験プレテスト(平成30年度)

仕事となると「聞く、話す」のコミュニケーションのスキルが重視されることも多いですが、英文を読まなくてはいけない場面も沢山ありますよね。また、英文が読めた方が世界が広がります。文学作品も原書を読むと、同じ物語でも違った印象を受けます。

どうしたら、英文を読みこなせるようになるのでしょうか?リーディングの力を伸ばす勉強のコツを紹介します!

目次

1.英語のリーディングに必要な要素

英語のリーディングに必要な要素が何か、いくつかはすぐに思い当たると思います。しかし、あまりにも当たり前過ぎて、見落としているものも中にはあるかもしれません。確認していきましょう。

①語彙力

大抵の人が真っ先に思い浮かぶのがこれでしょう。日本語でも英語でも、語彙を知らなければ文章は読めません。出会った単語はすぐに覚える必要があります。まぁ、これがなかなか難しいのですが……。

②文法力

その文章が現在なのか過去なのか未来なのか、はたまた仮定なのか事実なのか、何を強調したいのか。そう言った情報を得るためには文法力が必要です。といっても、大抵は高校生レベルの文法で事足ります。不安な人は高校生用の文法書を読み返しましょう。

③英文の構造・流れの知識

これは1つならまだしも、2つ揃ってとなるとかなりの人が見落としている要素だと思います。言語が違えば文構造も文章の流れも異なります。知らないでいると文章が読みにくいと思います。

構造に関しては意識している人も多いでしょう。日本語はSOV(主語-目的語-動詞)型ですが、英語はSVO(主語-動詞-目的語)型です。英語では形容するものは後から来ます。

そして、見落としがちな英文の流れの要素。日本語は結論や大切な部分が最後に来る傾向があります。一番最後の文が抽象的なことが多いです。

しかし、英語は反対で一番初めの文章が最も抽象的で、最後に向かうにつれて具体的になっていきます。結論が先で具体的な説明は後のことが多いです。

もちろん例外もありますが、筆者の実感として英文の約8割は結論が先、説明が後です。この傾向を知っていると、少し読むのが楽になりますよ。

④気合い

「えっ……?」とか「今どき根性論?」と思った方もいると思いますが、気合いは大切です。私の友達で英語の長文問題が苦手な子は、「読んでもわからない」と諦めている子が大半です。

しかし、英語だからといって
「読んでもわからない」文章はありません‼︎

言語は違えど人が書いた文章です。特に、試験の問題文として出される英文は雑誌のエッセイや論文などであり、論理が破綻した文章であることはありません。絶対に読めます。

心が折れては読めるものも読めません。同じ人類が書いた文章なんだから読める!と思って読みましょう。意外とこのガッツは大切ですよ!

2.リーディング力を伸ばす勉強のコツ

リーディングについて解説されていることって、教科書でも参考書でもあまりありませんよね。リーディングの力を伸ばすためにはどうしたら良いのでしょうか?

たくさん英文を読む?もちろんリーディング力を伸ばす上で、多読という方法は正解なのですが、力を伸ばすにはコツがあるのです。いくつか紹介します。

①英文を脳内で読み上げる

英文を読むときにただただ目で文章を、文字を追っている方いませんか?実は、目で文字を追うだけでは英文は読めるようになりません。英文を脳内で読み上げる必要があるのです。

日本語のこの文章を読んでいる時も、脳内で文章を読み上げていませんか?読み上げている方はそう、まさにそれです。その脳内読み上げを英語でもする必要があるのです。

脳内読み上げができない方は、初めは日本語の文章でいいのでぶつぶつと呟いてください。だんだんと口が疲れてきますよね?口の動きが小さくなっていって……最終的には止まります。が、頭の中では読み上げる声が聞こえてきませんか?聞こえてきたら成功です。その感覚が脳内読み上げです。その感覚を忘れないでください。

また、英語はリズムも大切です。どこで意味が切れるのか、どことどこが同格(同一の機能を持つ)なのかは、リズムを掴めないとスムーズに理解できません。

筆者の中ではこの脳内読み上げ機能の有る無しがリーディングの力に一番大きく関わっていると思っています。あなたの脳みそに、脳内読み上げ機能をすぐにインストールしてください。日本語版をお持ちの方は、英語版のアップデートをお願いします。

②英文でよく使われる単語を覚える

英文でよく使われる単語、特に 動詞を覚えるとスラスラ読めるようになります。単語帳を見たり、英文の中でわからない動詞が出てきたら調べてください。その際に連語やイディオムも一緒に覚えると良いでしょう。

動詞を覚えたら形容詞・副詞を覚えると良いでしょう。その際は似たような意味のものはまとめて、ニュアンスの違いも覚えると良いです。単語帳の余白にイメージをイラストにしてメモするのもおすすめです。

尚、名詞は基本的なものさえ覚えてしまえば、それ以上は意識的に覚えなくても良いです。専門用語や固有名詞も多いため、調べ始めたらキリがありませんし、汎用性も低いです。また、そういった名詞は後ろに続く文章の中で解説がついていたり、試験問題なら注釈があります。

注釈がつかないような基本の名詞だけは確実に覚えておきましょう。高校生用の英単語帳1冊分の名詞を覚えておけば十分です。それ以外の名詞は出てきた時に覚えれば大丈夫です。

以下、基本的な英単語をまとめた動画です。これだけ知っていればかなり読むのは楽になると思います。

③推測力を付ける

英文の中でわからない単語が出てくるのは必然です。わからない単語が出てくる度に辞書を引いているのでは英文は速く読めませんし、単語を調べているうちに前の文章を忘れてしまったりします。また、試験では辞書は引けませんよね。

辞書が引けない時、わからない単語が出てきたらどうするか?答えは一つ、推測するしかありません。

英文を読むときは、わからない単語に印をつけてそのまま先を読みましょう。大部分の英文では、同じ単語がどこかで出てきます。初めてその単語と出会ったときは意味がわからなくても、別の文脈で出てきたら意味がわかったり、推測できることもあります。

急いでいないときは、わからない単語に出会ってもすぐに辞書を引かずに先を読んで、それでもわからない時に辞書を引くようにしてください。

また、英単語を綴るアルファベットは漢字とは違って表音文字です。アルファベットそのものが意味を表しているわけではないので、意味の推測は漢字よりも難しいでしょう。

しかし、英単語にも意味を推測する手がかりがあります。接頭辞と接尾辞です。接頭辞はimpossibleのim、接尾辞はcapableのableのようなもので、日本語で言う非金属の「非」、可能性の「性」のようなものです。これらは知っていると意味や単語の品詞の識別に役立ちます。

以下のサイトに接頭辞と接尾辞、加えて語根(語の先頭、真ん中、末尾どこにでも登場する)がまとめられています。是非参考にしてください。

アルファベット順の語源一覧

④完璧に訳そうとしない

英語と日本語は違う言語です。言語ができる上でのバックグラウンドが違います。ですから、いつも綺麗に対応する訳があるわけではありません。プロの翻訳家であっても、全ての英文をそのまま日本語に直訳はできません。試験問題の素材文を訳したものの中にも意訳は多々登場します。

英語に限らず、文章は筆者の主張や意見などを伝えるものです。意味がわかれば良いのです。正確に訳す必要性はありません。綺麗な日本語に直せなくても「こういう意味だ」とわかれば良いのです。

完璧に訳そうとすると時間も使いますし、英文を読むのが嫌になってきます。試験の和訳問題でないならば「意味がわかれば良いのだ」と少し気楽に捉えて負担を減らすのも、リーディングを継続して勉強するコツです。

この①②③④のコツを意識しながら英文を読むと、勉強の成果が2倍3倍になります。リーディングの力を一番伸ばすのは多読です。多読をするときに意識してみてください。

※リーディングの素材がない方へ

「多読しようにも本がない……」という方は、ネット上のサイトを利用することをおすすめします。練習問題付きのサイトもあります。ニュースサイトは非ネイティヴ向けなので読みやすい英文になっています。時事ネタも勉強できて一石二鳥です。

こちらは読み物が中心です。
E Reading Worksheets(練習問題あり)

こちらは全米の高校生が受けるSAT試験のサンプルやリーディングの練習ができるサイトです。学術的な内容も多いです。
Khan Academy (練習問題あり)

以下は初心者〜中級者向けのニュースサイトです。音声が聴けるものもあります。

News in Levels

JAPAN REAL TIME

これらのサイト以外でおすすめなのは、海外の小説を読むことです。好きな作品のファンアートを読むのも良いでしょう。ただ、これらはネイティヴ、あるいはネイティヴに程近い人が書いているものなので文章が難しいことが多いです。でも、好きな作品であれば読もうと思えますよね。

リーディングは積み重ねが大事です。毎日読んで英文に慣れていけば、読むスピードも速くなります。毎日1記事でも、1話でも良いから英文を読んでみましょう。

3.まとめ

  • 英語のリーディングに必要な要素は語彙力・文法力・英文に関する知識・気合い!
  • 英文は脳内で読み上げる
  • よく使われる単語は覚え、それ以外の単語は推測し、完璧に訳そうとしない

たくさんの英文を素早く処理する力は、これから先ますます重要になってきます。リーディングの力は日々の微々たる積み重ねが何よりも重要です。毎日英文に触れることを意識して生活しましょう!

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