英語を学んだり留学に行く時に気になるのって、やっぱり英語の発音ですよね。留学前は、ドラマや映画のネイティブの英語の発音を聞いて「おおおお、かっこいい!私もいつかあんな風になりたい!!」とずっと憧れていました。
しかし、どの地域でも映画で出てくるような綺麗な英語をしゃべるとは限らないんです。日本にたくさん方言があるようにもちろんカナダにも方言があります。
よく「カナダ人は、どこの地域でもほどんど同じ英語をしゃべるよ!」とか「カナダ英語に方言はないよ」と言う人がいますが、カナダに一年住んでみて、それが大きな間違いだったと気づきました。方言ばりばりあります!!
カナダの反対側に行ってみたら、同じ英語をしゃべっているのに「なにこれ…別世界の言葉だ。一語も理解できない、どうしよう!!!」なんてこともあり得るんです。私に実際に起きたので…
本気で理解しようと試みたんですが、チンプンカンプンで会話にすらならないレベルでした。私のカナダ人の友達ですら「え…?」ってなってたくらいです。
その時私は、英語を学ぶのに地域選びって本当に大切なんだと改めて思いました。せっかくカナダに来たのに、周りの言葉が全然理解できない、アクセントが独特過ぎる…なんてことになったら慣れるまでそうとう苦労しますし、自分だけ会話の中に入れないなんて、心が折れそうになります。泣きたくなります。
そんなことになってしまわないように、カナダに一年住んでみて見えてきたカナダの英語の発音の違いを、地域別に分けて説明していきたいと思います。
カナダ英語の発音について。綺麗で聞き取りやすいの?
カナダ英語の発音はどんな感じ?綺麗なの?とよく聞かれることがあります。答えはYESとNOです。
カナダと一言で言っても、10もの州があり、3629万人もの人が住んでいます。皆さんご存知の通り、すっごく大きい国です。そのため同じ「英語」という同じ言語を話していても、住んでいる人や影響を受けた文化によって、発音や言葉の表し方が全く変わってくるんです! 面白いですよね。
10の州に分かれているカナダですが、発音で分けると大きく3つに分けることができます。簡単にその地域と特徴を説明していきますね!
1.一番英語のなまりが少ないカナダの中心:Central Canada
英語の発音は一番なまりが少なく、カナダの英語の発音の基本はここの州から来ています。皆さんが映画や音楽でよく耳にする、あのかっこいい「ネイティブイングリシュ!!」歩いていていてもバスの中でも、いろいろなところから綺麗な英語が聞こえてきて、「こ、これがネイティブの英語かぁ!!」ってドキドキわくわくしたのを覚えています。
私が住んでいるビクトリアもこの地域の中にあって、私が知っているカナダ人の友達の英語は癖がなくとても綺麗です。今思うと「一番初めて学んだ場所がここでよかった」と思っています。一番基礎となっている英語に慣れておけば、少しくらい変わった方言の英語でも、大体は応用して対応することができます。
逆にあまりにも癖が強い英語に慣れてしまうと、ほかの英語が聞き取れなかったり、なかなか聞き取ってもらえなかったりすることもあるので、私はカナダで英語を勉強するならカナダの中心の都市を選ぶのを強くおすすめします。一度綺麗な英語に慣れてしまえば、そのあとどこに行ってもその英語の発音を失うことはありません。
え?カナダって移民の国って呼ばれてるけど??って思う方もいるかもしれません。
たしかに街を歩いていてもいろいろな国の方を見かけますし、私の友達も、中国、韓国、ベトナム、フィリピンと出身は様々です。しかし、そのせいで周りの人の英語の発音が変わってしまうというわけではないんです。心配しないでください!
移民の多くの人たちが子供の頃に引っ越してきているので、英語の発音はネイティブそのもの。みんなめちゃくちゃ綺麗な英語を話します! いつも「私もあんな風に話せたらなぁ」と聞き入ってしまいます。もちろん全員が完璧な英語を話せるわけではありませんが、人の外見や出身は関係なく、カナダで生まれ育ってきた人たちが多く住んでいる地域です。
2.フレンチカナディアンが住むケベック(Quebec)
ケベックはカナダのほかの都市と比べると少し特別で、ここに住むほとんどの人がフランス語を第一言語、英語を第二言語としています。公用語ももちろんフランス語なので、ケベックに行けば、まるでフランスにいるレベルでフランス語がきこえてきます。
同じ国の中なのに、ここまではっきり言語が分かれている地域があるなんてびっくりですよね!「日本にほぼ英語しか話さない県が1つある」そんな感じの感覚です。
彼らが話す英語は、フランス人が話す英語のアクセントととても似ています。
ここにすごく分かりやすい動画があったので載せておきますね!!
この動画で分かるようにフランス語を話す人独特のアクセントがありますよね。集中して聞いてみると、単語や文章の最後を強く発音しているのがわかります。特に母音の、a,e,i,o,u が強く発音されています。これはフランス語を話す人に共通する話し方で、とても分かりやすいです。
ケベックの英語は聞き取りやすいの?
と聞かれると「うーーん。ちょっと難しいかも。」というのが正直なところです
私は職場でケベック出身の女の子と働くことがよくありますが「え?ごめんなんて言った?」って三回くらい聞き返してしまうこともしょっちゅうありました。もちろん慣れればだんだん理解できるようになってきますが、まだカナダに住んで一年と経験が浅い私からすると、慣れるまで二、三か月はかかりました…。
3.これって本当に英語なの?独特すぎるニューファンドランド島の英語
ニューファンドランドの英語。これはいろんな意味で少し特別なんです。私は初めて聞いたとき衝撃を受けました…。
さあどうでしたか?彼らが何を言っているか分かりましたか? 私は何回見ても、さっぱり何が何だか…。
これがニューファンドランドの英語です。す、すごいの一言。方言どころではなくて、もう違う言語にきこえてきませんか?これが同じ英語だなんて、とても信じがたいですよね。
なぜ彼らの英語はこんなにも強い特徴があるのでしょうか?
1949年に正式にカナダに加わったニューファンドランド。実はアイルランド、スコットランド、ポルトガル、スペインが混ざってできたとてもユニークな地域なんです!特に彼らの英語はアイルランドから強く影響を受けていて、その独特の発音もアイルランドのアクセントと英語が混ざってできたものだと言われています。
アメリカ英語は?
アメリカの英語の中にももちろん方言がありますが、カナダほどはっきり分かれていません。10個ほどある方言の中から、皆さんが映画などでよく聞く代表的な二つを挙げて、簡単に説明したいと思います。
1.アメリカの中で一番話されている基本のアメリカ英語(General American)
この英語は私たちが映画などで一番よく耳にする英語で、学校で使うCDやTOEICで使われています。カナダの中心で使われている英語ととても似ています。
・Rを舌を巻いて発音する
・aの発音が少し長め
例)man=マンではなく、メァンに近い発音になる
2.ニューヨーク周辺の英語
・Rは舌をまかない
・aの発音がoにすごく近い
例)Father=フォーザーに近い
これを聞くと、アメリカ英語っぽくない!と思う人がいるかもしれません。私も初めて聞いたときはそう思いました。ニューヨーク周辺の人たちは、こんな感じにゆっくりゆっくり話す傾向にあるそうです。意外ですよね!!
カナダ英語とアメリカ英語の具体的な違いは?
みなさん「カナダ英語とアメリカ英語の違い」と聞いて、まず一番最初に思い浮かべるものは何ですか?きっとまず頭に浮かんでくるのは「発音の違い」ではありませんか?
カナダ英語とアメリカ英語の大きな違いはまず「発音」だ、と思っている人が多くいますが、実はそれ間違いなんです。二つの英語に大きな違いは、綴りや物の言い表し方の違いにあります。
イギリスの支配下であったカナダは、イギリス英語の影響を大きく受けていて、カナダ英語の綴りのほとんどがイギリス英語とおなじ綴りを使っています。
1.綴り・物の言い表し方の違い
イギリス英語 | カナダ英語 | アメリカ英語 |
travelling | travelling | traveling |
grey | grey | gray |
cheque | cheque | check |
colour | colour | color |
centre | centre | center |
カナダ英語 | アメリカ英語 | 日本語 |
runners | sneakers | スニーカー |
tuque | beanie | ニット帽 |
washroom | bathroom | トイレ |
pop | soda | 炭酸飲料 |
bill | check | お会計・領収書 |
この表を見ると、カナダ英語の綴りはイギリスと同じで、物の表し方も全然違いますよね。
現地の人に「カナダとアメリカ英語の違いって何?」と聞くと、ほぼ100%の確率で、綴りと単語の違いを説明してくれます。
2.発音の違い
もちろん発音に違いはあります! 分かりやすい代表的なものを紹介しますね。
「ou」 の発音
カナダでは単語の中のouの発音がオゥに近い発音になり、アメリカではアゥに近い発音になります。例)about:カナダ→アブート、アメリカ→アバウト
アメリカ英語でouを発音する時は、舌を歯の後ろに来るくらいまで上げが、カナダ英語の場合はもっと下のほうに下げる感じです。アメリカ英語は口をはっきり横にも縦にも動かしますが、カナダ英語はもう少しなめらかで優しい感じの印象です。
3.カナダ英語はアメリカより丁寧?
これすごく面白くて、カナダの英語や人々の態度などが「日本人とすごく似ているな」と感じる時が結構あるんです。
私たちってよく「すみません」って言いませんか? 人にぶつかってしまった時、道を開けてほしい時、知らない人に話しかける時など、自分が悪いことをしたわけではなくても、癖で使っちゃいますよね。
実はカナダ人も全く同じ感覚で「Sorry」って使うんです! 私はこんなに頻繁に「すみません」って使うのは日本人だけだと思っていたので、カナダに来て初めて聞いた時なんか可愛いなって思っちゃいました。
私の友達は、机に脚をぶつけてしまった時に机に向かって「Sorry」と言っていて、思わず笑ってしまったのを覚えています。そんなものにまで謝るの?って聞くと、癖なんだよ~って笑ってました。カナダ人の優しくてかわいらしい人柄が見えてきますよね。
一方でアメリカの友達にも聞いたところ、このような使い方はあまりしないそうです。自分が悪いことをしてしまった時や、謝らなきゃいけないと感じた時に「Sorry」を使うようです。
ネイティブみたいなかっこいい英語を学ぶにはどっちがおすすめ?
ここまでカナダ英語やアメリカ英語の違いや発音の紹介をしてきましたが、一番気になるのって「じゃあどこで英語を学ぶのがベストなのか?」ですよね。正直なところ、ここがベスト!!と一つに絞るのはとても難しいんです。
なぜならカナダ、アメリカ関係なく同じような発音をする地域もあったり、実際に現地に住んでいる人でさえもアメリカ英語かカナダ英語かを聞き分けられないこともよくあります。多少の違いはありますが、そこまでカナダ英語とアメリカ英語の発音の違いがはっきりしていないため、発音だけでこっちがよくて、片方はだめ、とかそういう風にはなかなか言い切れません。
しかし、文化や人々の人柄などを考えると私はカナダの中心(Central Canada)で英語を学ぶことを強くおすすめします。
「カナダは移民の国だ」と言ったのを覚えていますか? これが、私がカナダの中心をすすめる一番の理由なんです。ここカナダの中心では、いろんな国の移民がたくさん住んでいるのが当たり前です。色々な言語を耳にすることもあるし、英語が第一言語ではない人も住んでいます。
そのため、ここに住むカナダ人はそういう人に対してとても理解があるんです。あえてゆっくり話してくれたり、理解できなくて「なんて言った?」って聞き返しても、いやな顔一つせず言い直してくれます。
自分の英語にまだ自信がない時って、私の発音おかしくないかな?私めんどくさいって思われてないかな?って不安になったり、考えすぎてしまったりしますよね。私は初めの一か月、そんなことばかりが頭をよぎってしまいました。
でも、ここの地域なら大丈夫。少しくらい発音が違っても、それを笑ったり変だと思う人はいません。全員がネイティブではない事をみんな理解しているし、発音の違いなんていちいち気にしない人がほとんどです。
私もカナダに来たばかりの時は、英語なんてさっぱりでどうしよう!!!ってなってましたが、周りの人の優しいサポートに何度も何度も救われました。
まとめ
①カナダには大きく分けて三つの方言がある
・癖がなく映画に出てくる「ザ・ネイティブ英語」カナダの中心(Central Canada)
・フランス語が公用語、ケベック
・まるで違う世界の言葉?本当に独特な英語を話す、ニューファンドランド
②映画でよく聞くアメリカの二つの方言
・アメリカで一番話されている基本のアメリカ英語(General American English)
・舌は巻かずゆっくり話す、ニューヨーク周辺の英語
③カナダ英語とアメリカ英語の違いは、発音違いよりも、主には綴りや物の言い表し方にある。
④かっこいいネイティブ英語を学ぶのにおすすめなのは、カナダの中心(Central Canada)
カナダ英語アメリカ英語といっても、その中には方言ももちろんあるし、場所によっていろいろな言い回しがあったりします。日本にも方言があるのと同じです。
ここで一番大事なのは、地域ごとの方言や違いを知り、どの英語を自分は学びたいのかをはっきりさせることです。もし、英語を海外で初めて学ぶのであれば、癖のないスタンダードな英語からスタートすることを強くおすすめします。わざわざ少し変わった英語を学ぶメリットはあまりないんじゃないかなと私は思います。
また、言語を学ぶ上で、地域選びは本当に大切です。もし自分の英語に自信がまだない人は、カナダなど移民の多い国を中心に探してみてください。
移民の多い地域に住む人たちは、私たちの英語が完璧じゃなくてもばかにしたりは決してしないし、理解のある人がたくさんいます。自分がつらい時も、同じように違う国から来て頑張っている人を見て「よし、私も頑張ろう!」って思えたり、励ましあえる仲間がいるだけで、生活がプラスの方向に向いていきます!
あとは行動あるのみ!! いろんなことにどんどん挑戦し、最高に充実した毎日を送って、ネイティブのような英語を手に入れましょう!!
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